がんセンター概要

琉球大学病院がんセンター概要

琉球大学病院がんセンター
増田 昌人

1.外来部門の運営

  1. 緩和ケア/がん性疼痛外来(火・木)
  2. 緩和ケア/心理ケア外来(火・木)

を開設しました。

2.外来化学療法室の運営

現在は8床で、100-120名/月の化学療法を行なっています。

毎週金曜日午前7時30分から8時30分まで、外来化学療法室カンファランスにより、利用している全科医師と薬剤師、看護師が、患者全員に関わっています。

3.緩和ケアセンターの運営

従来からの緩和ケアチームをがんセンター所属とし、今まで以上に多くの患者に緩和ケアを提供して行く予定です。

さらに、外来部門と連携して、(1) 初期段階からの提供、(2) 外来での継続提供、(3) かかりつけ医との共同診療を開始し、充実させていく予定です。

4.院内がん登録兼拠点病院データ解析室の運営

診療情報管理士と事務職員により、より精度の高い院内がん登録を行なっています。さらに、今後は沖縄県内の院内がん登録データの分析,評価等も行なう予定です。

5.化学療法レジメン登録・審査・管理室の運営

原則的には、当院はレジメン登録後に化学療法を行なうシステムとなっています。本年4月からは、登録済みレジメンを診療科・臓器横断的に、かつEBM重視(NCI PDQ、ASCO、NCCN、国内学会ガイドライン等を参考)の審査を行ない、EBMに基づくがん医療を側面から助けていく予定です。

6.がん相談支援センターの運営

  1. がんの病態、標準的治療法等、がん診療に係る一般的な医療情報の提供
  2. がんの予防やがん検診等に関する一般的な情報の提供
  3. セカンドオピニオンの提示が可能な医師や医療機関の紹介
  4. 患者の療養生活に関する相談
  5. 各地域におけるかかりつけ医等各医療機関との連携事例に関する情報の収集紹介
  6. アスベストによる肺がん及び中皮腫に関する医療相談
  7. その他、相談支援に関すること を行なう予定です。

7.沖縄県がん診療連携協議会(本年4月に設置予定)の運営

がん対策基本法に基づき、

  1. 主に地域がん診療連携拠点病院で専門的ながん医療を行う医師・薬剤師・看護師等を対象とした研修を実施する
  2. 地域がん診療連携拠点病院等に対し、情報提供、症例相談や診療支援を行う
  3. 地域におけるがん診療連携体制等がん医療に関する情報交換を行う
  4. 都道府県内の院内がん登録データの分析、評価等を行う
  5. 都道府県レベルの研修計画、診療支援医師の派遣調整を行う
  6. 地域連携クリティカルパスの整備を行なう 予定です。

8.九州がんプロフェッショナル養成プランへの対応

がん対策基本法に則り、がん医療に関する専門的な知識及び技能を有する医師及びその他の医療従事者を養成し、九州地区における質の高いがん医療の均てん化を図るプランです。
(http://www.ganpro.med.kyushu-u.ac.jp/)

  1. インテンシブコースへの対応

    1. 臨床腫瘍医養成インテンシブコース
    2. がん治療医養成インテンシブコース

    基本学会の認定医または専門医を持つ医師を、1年のコースでがん薬物療法専門医試験等が受験できる実力をつけるプランです。外来化学療法室を3か月、第二内科血液・腫瘍グループを3か月、残り2診療科を3か月ずつローテートする予定です。その間に、講義、臨床指導、レポート(+症例報告)作成、試験、E-ラーニングによる教育を行います。

  2. E-ラーニングへの対応

    コンテンツ作成(講義のビデオ撮影・編集等)を行っていく予定です。 以上が、現在行っている業務内容です。

また、将来的には、

 
  • 無菌室を含むがんセンター病棟部門の新設を検討していく
  • がんセンター臨床研究部門の新設を検討していく

予定です。
上述の業務に関しては、各診療科をはじめとする既存の各部署との連携を今まで以上に行っていくことになります。今後はこのがんセンターは連携体制の中核として、琉球大学医学部附属病院のがん対策の中心を担っていきます。

都道府県がん拠点病院役割図
沖縄県のがん診療連携拠点病院について保健医療部 健康長寿課のWebを引用

がん診療連携拠点病院等とは

 全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、がん診療の拠点となる病院として厚生労働大臣が一定の要件に基づき指定する制度です。指定された病院では、専門的ながん医療の提供、地域のがん診療の連携協力体制の構築、がん患者に対する相談支援及び情報提供等を行っています。がん診療連携拠点病院等は施設の体制などによって次の3つに分類されます。
都道府県がん診療連携拠点病院
地域がん診療連携拠点病院
地域がん診療病院

沖縄県のがん診療連携拠点病院等について

 沖縄県においては、沖縄県全域を統括する都道府県がん診療連携拠点病院として琉球大学医学部附属病院が指定を受けるとともに、保健医療圏ごとに次のとおり指定されております。
1.【沖縄県全域を統括】都道府県がん診療連携拠点病院・・・琉球大学病院
2.【北部保健医療圏】地域がん診療病院・・・北部地区医師会病院 ※1の施設とのグループ指定                                                                        
3.【中部保健医療圏】地域がん診療連携拠点病院・・・沖縄県立中部病院
4.【南部保健医療圏】地域がん診療連携拠点病院・・・那覇市立病院
5.【八重山保健医療圏】地域がん診療病院・・・沖縄県立八重山病院 ※3の施設とのグループ指定