琉球大学病院緩和ケアセンター長を拝命いたしております関根正幸です。がん診療では婦人科腫瘍を専門としておりますが、患者さんとご家族の尊厳を守りつつ、心と身体の両面から患者さんを支える緩和ケアの実践と発展に携われることを大変光栄に存じております。
緩和ケアは、がんをはじめとする生命を脅かす病気に直面した患者さんが、病のいかなる段階においても「自分らしく生きる」ことを支援する医療です。痛みや苦しみを和らげる身体的ケアはもちろん、心理的・社会的・スピリチュアルな側面への支援を重視し、患者さんとご家族に寄り添うことを目指しています。
当院は、沖縄県におけるがん診療の中核拠点として高度で包括的ながん医療を提供し、また地域医療への貢献を重ねてきました。当センターでは、医師、看護師を中心に医療スタッフの多職種が一体となり、患者さん一人ひとりの価値観や希望を尊重した支援を行っています。さらに、地域の医療機関や訪問看護、在宅ケアチームとの連携を深めて、病院と地域が一体となった切れ目のないケア体制の構築を進めています。
さらに、大学病院としての使命である教育・研究にも注力し、次世代の医療従事者に緩和ケアの理念と実践を伝えるとともに、科学的根拠に基づいた質の高いケアの確立を目指したいと思います。沖縄の風土と文化を大切に地域に根ざしつつ、全国水準のがん診療を担う拠点病院としての使命を果たしてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
緩和ケアセンター長 関根正幸